治療方針の決定

画像診断により、がんが肝臓のどのくらいの部分を占めているかが分かります。当然、たくさん占めているほうが重症になります。これを数字で表す方法が、『PRETEXT』(プリテクスト。Pre-Treatment Extent of Disease)というものです。
これは下図のように肝臓を4つの部分に分けて、どの部分を腫瘍が占めているかで分類します。
初診時にPRETEXTが1、または2であれば化学療法をしないで手術で完全切除することが可能なこともありますが、PRETEXTが3、または4ではそれが困難なので、まず抗がん剤による化学療法を行います。
化学療法後にも同様に評価(POSTTEXT)します。
POSTTEXTが4ならば残せる肝臓がないので、手術をするのであれば肝移植になります。

※ 病期分類とはがん進行度を示すもので、一般に「ステージ」ということばで表されることが多く、肝芽腫でも以前は使われていましたが、現在の治療はステージごとではなく、PRETEXTによって決まります。




  PRETEXT 

肝臓を大きく4つに分け、腫瘍がどの部分を占めているかで分類します。
  
        
            
    

PRETEXTの他、下に書いた4つの「肝外進展」と「遠隔転移」の有無を確認して治療を行います。
V→ 下大静脈または全ての肝静脈内へ腫瘍が入り込んでいる場合。
P→ 門脈本幹、または左右両方の門脈内に腫瘍がある場合。
E→ VやP以外の肝外進展がある場合。
R→ 腫瘍破裂がある場合。
M→ 遠隔転移がある場合。




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